06 July 2012

Believable Physicality in Snappy Animation

今日トムと話したことを忘れないうちに書いておきます。実は自分には初めて見たときから嫉妬が止まらないショットがありまして。それが、http://kylekenworthy.blogspot.com/2012/02/voltron-6.html このKyleっていう人のこれの2つ目のショット。手を上げて、くるくるって回るやつ。いやーすごい!!って思っていて。ただ単にいい!!というよりも、こんなびゅんびゅん動かして、人間にはこんな動き無理なのに、なんで物理的にちゃんと信じられるんだろう?って言うのが本当にもう「意味わかんねええ!!」状態で嫉妬してました。だっておかしくない?普通に人間に出来ない動きをしてるのに、なんでその動きを物理的に信じられるの?ディズニーの人にも言われた、タイミングが自分の課題でもあるので。

 そもそも自分のアニメーションは、カートゥーンでもどっちかというとリアリスティックなのが多いのでこういうブルースカイ風のsnappyなアニメーションが苦手です。苦手というより、どうやったらいいか分からない。それでちょうどいい機会だと思ったので、「何がいいのか分からないけど、すごいいい!!なんで自分はすごいと思ったんだと思う?なんですごいのか教えて!!」と意味わかんない質問と共にこのクリップを持ってトムのところに話を聞きに行きました。


まあ、ここがちょっと自分のアニメーションの可能性を広げられそうで面白いとこだったりしそう、と思ったりもしながら。


とりあえず、最初に言われたのは、何でいいと思う?想像でいいから言ってみ?といわれたので、「どんなに早いタイミングでも、ポーズがしっかり補完して流れるように動いてるから、フィジカリティが壊れていない…かも。」と言いました。


まあ、結論を言うと4つの事をトムに指摘されました。

1、誇張したタイミング→誇張したポーズ


2、短いホールド


3、ホールドするけどオーバーシュート


4、流れるようなポーズ

1、誇張したタイミングに誇張したポーズを作ることで、その誇張したタイミングにポーズが合うから物理的により信じられる動きが作れる。つまり、タイミングをプッシュしたらポーズもプッシュしたほうがよさそうだって事ですね。そういや、ブルースカイのキャラクターとかドリームワークスのマダガスカルのキャラクターもピクサーに比べてポーズがすごいプッシュしてるなーと改めて思ったり。


2、タイミング自体は変えずにスペーシングだけを変えて、クイックな動きと短いホールドで実際の動きを投影させる。だから全体的に信じられる物理を維持できてる。
3、ただしホールドは、完全に止めるんじゃなくて、手や足・頭などはオーバーラップORイーズインさせてエネルギーを止めないで流す。(ただこれは割と少ない3とか2フレームで、少ない動きで十分な気がする。やりすぎると今度はリアルに近くなってしまうから。

4、4つ目は最初に自分が予想した答えでした。途中のブレークダウンもポーズを誇張して全体的に流れるような動きを作る。

この記事書きながらマダガスカルとかRioとか改めて見てみたんですが、全部が全部ここまでプッシュしてるかっていうとそうでもないですね。だから特にこれはまったく別にテクニックっていうわけでもなくて、キャラクターアニメーションの幅くらいに思っておこうかな。だからリアルに作ってるやつでもこういうのを場合によっては意識して入れてもいいのかもしれない。むしろ最初にあげたクリップも、最後のほうは結構リアルに近いタイミングになってるし。そういう意味だと、スピードにも幅を利かせるし、こういうのを使いどころでポンッと入れてやるとめちゃめちゃいいショットに仕上がるかもしれない。柚子こしょうの様に。