かなり久しぶりのブログ更新です。最後が去年の10月とかやばいですね。半年ぶり。久しぶりに何書くかというと、今日は友達に「アニメーション見て!!」って言われた時に自分がどういうところを見てるのか、振り返りながらチェックリストにして書いてみました。
昨日フェイスブックでも書いたんですが、やっぱ自分意外の人のアニメーションをみてあげる(その人より上手いか下手かは関係なく)って大事だと思いました。自分の責任あるショットじゃないからすごい客観的に見れます。悪い言い方すると、「どうなってもいいやー」っていうので逆に素直に色々言えますね。目も鍛えられると思いますよ。
自分のショットを自分で見るときってやっぱどうしても、どうしても、どうしても主観フィルターがかかっちゃうので、そこは逆もしかり。他の人に自分のを見てもらうのも大事だと思います。
あ、ちなみに「見て~」って言われるのは、演技のが多いですね。理由は、ジャンプとか動きがメインの場合は正解が分かりやすいので、(人間のアナトミー、物理的に現実のリアルな動きというのを正解にした場合)わざわざ人に聞かなくてもある程度が見えるからだと思います。逆に演技になると、難しい。何が正解なのかまずちゃんと理解しないとダメですね。
じゃあちょっとここで例を出して僕なりに演技の正解と不正解を考えてみます。
例えばシャイなキャラクターが、大胆な動きをしたとします。これだけ見たら不正解っぽいですよね。でもそこにちゃんと理由があればいいと思います。シャイだからモジモジ動く…じゃあ、ちょっとキャラクター設定としてちょっと大雑把すぎですよね。
例えば、ゴキブリを見つけて急にびっくりして、大きな動きになったのかも。
シャイだから小心者かもですよね。
そしたら、そのリアクションはすごいクイックな動きの方が説得力ありますよね。
そうすると、シャイっていうキャラクター設定で更に奥に掘れます。ゴキブリにびっくりして「うひゃっ!!」って飛び上がってリアクションしたとします、シャイなキャラクターなら、その後周りに見られてないかチラチラ見て確認したりするかも。
じゃあ、ここはあえて、ゴキブリを見つけたとして、そこからゆっくり大きなリアクションだったら? うーん、なんかトボけたナマケモノみたいなキャラクターで、瞬時にゴキブリだと分からなくて、ゴキブリだと判断するのに時間がかかった…っていう設定だとちょっと見えて来ますよね。
その場合は、シャイで動きがスローなナマケモノ。って言う感じが見えて来て説得力がありますね。スローで鈍感だとすると、そのびっくりしたリアクションを見られたとしても特に気にしないですよね。だからそのままボーっとしてる…みたいな感じで見えてきます。
そう!だから、その説得力のある・なしが演技の正解と不正解なんだと思います。
要はこのキャラクターならこの場合どう動くかっていうので考えればいいので、どういうキャラクターなのかで答えも変わりますよね。
ちょっと前置きが長くなりましたが、以下のチェックリストがチェックリストです。要はこれらは上に書いた事を確認するためのものです。説得力。
演技編
- ダイアログとキャラクタの感情の波の高さは同じか?
- 声の大きさや喋り方などから、同じ「怒ってる」でもその怒りのレベルがちゃんと同じか確認します。
- アクセントは一致してるか?(必ずしも合わせなくていい、ずれてもいい)
- セリフのアクセントを置いてる部分でちゃんと動きでも表現出来ているか確認します。ずれてもいいというのは、動きがセリフと全く同じだとリズムが単調になるからです。
- 感情の変化は段階を示して、ちゃんと伝わるか?
- 退屈→怒る のような変化の場合、急に感情が変化したら見てる側に伝わらない(場合が多い)です。
- キャラクタの演技はオフモデルしてないか?
- これは上に書いたように、同じキャラクターで2重人格のようになっていないか確認します。
- プロップの扱い方は正しいか(そのキャラクタ的に)?
- 例えばおじいさんの形見の万年筆とそこら辺で買った万年筆だとその扱い方・握り方は変わりますよね。それだけでストーリーは伝わります。
- キャラクタは何を考えてるか分かるか?どう感じてるか分かるか?
- thought processが見えるか確認します。目線・瞬きが有効です。
演技編の後は、動作編なんですが、演技でも物理的に動きがおかしいところがあるとそっちに目が行ってしまうので、そういうつもりで気をつけています。
動作編
- リズムは一定になっていないか?
- 僕の場合は最初アニメーションをプランする時に全体的なリズムを先に決めます。トントントントンじゃなくて、トーントトトンみたいに動きとスピードにバラエティを入れます。
- 重心の動きは自然か?
- 腰の角度と位置的にちゃんと上半身と合わせてバランスが取れているか確認します。
- 足は張り付いていないか?
- どこで力が入るか、どこで力を抜くか明確か?
- 力がはいる直前のフレームをコンタクトフレーム、力が抜けた直後をリリースフレームと呼んでいます。どこで力が入る・抜けるのかを意識すると動きを考えやすくなります。
- 肩は十分自然使っているか?
- 肩は体の眉と言っている人もいました。何か発言する直前など、肩でアンティシペーションとったりしますよね。
こんな感じです。言葉で色々書きましたが、でも「やってみる」のが一番てっとり早いです。ちょっとこの動きやってみてとか、この表情やってみてとか本人に言ってみて、自分が客観的に見てみるとすごい分かりやすいですよ。自分でもその動きとアニメーションの動きの違いを比較するのがすごい勉強にもなりますし。
アニメーションの演技は面白いですね、いやー本当に面白い。関係ないんですが、千と千尋の神隠しで龍が紙に追われて、部屋に逃げこんで来るシーンあるじゃないですか、あそこで千尋がドアを締めようとして締めないんですよ。あれに気づいた時に、やべえって思いました。何か分かんないけど、やべえって思いました。
あとあと、説得力がある時とか英語では、I buy it(それ分かるぜ!的な)とか言うんですが、(逆に納得させるっていうのをsell the ideaとか言います。)これのしっくりくる日本語訳が分からない!!模索中です。